霞が関の夏まつり

(2026.06.20 No.204)
6月17日に文部科学省その他の府省庁から、
令和8年度「こども霞が関見学デー」について
が発表されました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/kengaku/
●保護者の悩みの種
そろそろ夏休みを気にかける家庭が多くなってくるのではないでしょうか。
子どもがずっと家にいる間のめんどうをどう見るか、
実家への帰省をいつにするか、
そして宿題の自由研究のテーマをどうするか、
などなどです。
子どもは楽しみでウキウキしているのに対して、保護者は悩みごとが増えます。
●官庁街のお祭り
国の省庁が連携して毎年度「こども霞が関見学デー」を実施しています。
今年は7月29日(水)、30日(木)の2日間が予定されています。
いわば国の府省庁が開催する文化祭、または夏まつりのようなものなので、催しは多彩です。
ガイドブック[1]、地図[2]、プログラム[3]を見るかぎり、とても2日間では回れない規模の催しです。
今年度は全部で425テーマの展示があります。
省庁によってテーマ数の差が大きいですが、
一番は文部科学省71件、
続いて経済産業省63件、
農林水産省51件、
国土交通省43件です。
●職員の家庭サービスから始まった
この見学デーの企画は、1996年(平成8年)に文部省(当時)職員の子どもの職場見学から始まりました。
”当時、家庭教育の充実が叫ばれる中、家庭における父親の不在が問題視されていました。
そこで、平成8年7月の答申で、こどもに父親の職場を見せ、働く父親の姿を見せることの大切さが言及されたのです。当時の文部大臣はこれを受けて、まず省内で模範を示そうと、文部省の職員のこどもを対象とした職場見学を始めました。
これがこども霞が関見学デーの始まりです。その後平成11年から各省庁が参加し始め現在に至ります。”[4]
元は文部省の身内向け行事だったというわけです。
その後、文部省内で試験的に一般公開する行事が好評を得たため、1999年(平成11年)から各府省庁が連携して一般の小・中学生を対象としたイベントとなりました。
●企画の工夫
各府省庁の広報部門が力を入れて企画している行事ですから、おのずからそれぞれの官庁の特徴が現れます。
そこにはいろいろな目的、思惑が見えます。
□存在を知ってほしい
文部科学省や経済産業省など、ふだん名前を見かけることが多い省はそれなりに仕事内容は広く知られています。名前から仕事内容をある程度、想像することができます。
しかしそうでない、名前から中身が想像しにくい官庁は、まず”何をやっている所か”を知ってもらう必要があります。
「会計検査院」、「公正取引委員会」、「衆議院事務局」などではまず仕事内容(何を対象に、どのように)を紹介するような展示を出しています。
たとえば公正取引委員会では”模擬立入検査・模擬事情聴取”とか、”削除されたデジタルデータ(証拠)の復元の実演”などといった、大人でもドキドキしそうな出し物が予定されています。
□知られているようで知られていないこと
たとえば財務省は国のお金を管理している省であることは子どもも知っています。
しかしそこで”麻薬探知犬”の実演には見学者は驚くのではないでしょうか。海外からの密輸を防止している税関は財務省の組織です。
財務省と犬とのつながりが面白い。
□実感を持ってもらう
言葉では知っているつもりでも、現実のモノを実感する経験は貴重です。
国税庁(財務省)の展示には”1億円の札束に触れてみる”、といった企画もあります。10kgくらいらしい。
法務省では”検察官による模擬取調べ実演”、”刑事裁判体験”とかテレビ・ドラマの雰囲気を楽しめそうです。
□人財募集
国家公務員の応募減少に悩む人事院ではクイズを使って公務員の紹介をします。子どもの時期から良いイメージを持ってもらいたいという考えでしょう。
また”○○士になってみよう”とかいう、子どもの人気職業をあてこんでいる催しもけっこうたくさんあります。
●予習が必要
もちろん子ども自身がコースを決めるのが一番よいですが、数百もある展示は多すぎて大人でも持てあまします。まず保護者がこの見学デーについて、ざっと予習をしておく必要があります。
これは広大なテーマパークで迷子にならないように、十分な予習と作戦が必要なのと同じです。
夏休みの自由研究とは、保護者と子どもがいっしょになって取り組むものらしい。■
[1] 令和8年度こども霞が関見学デー・ガイドブック https://www.mext.go.jp/content/20260617-mxt_chisui02-100000215_2.pdf
[2] 霞が関マップ https://www.mext.go.jp/content/20260616-mxt_chisui02-100000215_4.pdf
[3] 各府省庁等のプログラム(6月17日現在) https://www.mext.go.jp/content/20260617-mxt_chisui02-100000215_4.pdf
[4] こども家庭庁note「夏休み、どうする?「こども霞が関見学デー」が答えかも!」 https://kodomo-gov.note.jp/n/n097d1d1b8453
[5] 法務省 特設ページ https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/kodomokasumi2026.html
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