女性の参画マップ
(2023.06.09)
6月6日、男女共同参画局が「都道府県別全国女性の参画マップ」(全体版)・(地方議会編)を更新しました。
(https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/government.html#todofuken)
都道府県、市町村の公的な役割(首長、議員、公務員など)にどれだけの女性が参画しているか、状況が地図上で色分けされて表示されるものです。一目瞭然、というのはこういうものを指すのでしょう。
データが表示されるのは次の項目です。
- 全国の都道府県議会、市区議会、町村議会の女性議員割合
- 女性議員ゼロの市区町村議会の割合
- 地方公務員の採用者
- 管理職に占める女性割合
- 地方公共団体の審議会等委員の割合
- 会社役員等の管理職や自治会長に占める女性割合
- 都道府県防災会議の女性委員割合
もちろん女性比率が低いからといって、その地域が女性を抑圧しているかというと、そういうわけではないことは留意しましょう。
小さな地方公共団体では、そもそも議員や公務員が少ないので、ほんの少しの人数差でパーセントが変わってしまいます。またその地域特有の事情(女性そのものが少ないとか)があるかもしれません。
それでも都道府県の規模でみれば、各地域での女性進出の程度がだいたい推し量れるようです。
●詳しい地図での具体例
また「市区町村女性参画状況見える化マップ」(https://wwwa.cao.go.jp/shichoson_map/?data=3&year=2021&todofuken=45)にも同種のデータが入っていて、そちらは上記の参画マップよりもきめ細かく表示ができます。
たとえば男性公務員の育児休業取得率などというものも、市町村単位で色分けマップが表示されます。
こういうマップを操作しながら見ていくと、それぞれの土地柄などが想像されて頭が刺激されます。
たとえば、市区町村女性参画状況見える化マップを使って、「公務員(市町村)」->「係長相当職に占める女性の割合」->「A県」->「令和4(2022)年度」でマップを拡げ、関東A県の中央部にあるB市を見てみました。
B市は人口が20万人を越える大都市のベッドタウンであり、産業都市でもあるため、土地固有の男性優位の文化は強くないと考えられます。
B市役所の係長相当職と、管理職の女性比率をそれぞれ表示してみると、下記の通りです。
A県B市 | 係長相当職の女性比率 | 管理職の女性比率 |
平成28(2016)年度 | 40/262 (15.3%) | 23/205 (11.2%) |
令和4(2022)年度 | 107/332 (32.2%) | 23/184 (12.5%) |
この6年間で、係長相当職の枠が70人も増え、女性比率も急上昇しています。管理職のほうは逆に枠が21人も減りましたが、女性比率はわずかな上昇を見せました。
●これから
各地域で女性活躍の機会が増えつつあることは喜ばしいですが、基本計画の目標数値(※1)にはまだ遠い印象です。
この参画マップの公表によって、各地の取り組みが一層強化されることを期待したいものです。よい意味で、地方公共団体の”横並び”意識を刺激するのではないでしょうか。■
※1 第5次男女共同参画基本計画における、市町村「本庁係長相当職」の女性比率目標40%(2025年度末)、同「本庁課長相当職」22%(2025年度末)