脱炭素の国民運動

(2023.04.16)
4月11日に環境省より、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の進展状況について発表されました。
https://www.env.go.jp/press/press_01381.html

この国民運動は2022年10月に立ち上がり、約半年が経過しました。
同時期に官民連携協議会も設立されて、国、自治体、企業、団体、消費者等による活動を進んでいます。今回は協議会第5回が3月24日に開催されました。現在、参加企業・団体は584まで増えています。

●背景
そもそも、2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向けて、暮らし、ライフスタイルの分野でも大幅なCO2削減が求められます。
たとえば、2030年までに家庭66%、運輸35%、非エネ14%、業務51%削減などが目標とされています。
この目標実現には、国や民間企業の活動だけでなく、広く国民、消費者が協力しないと達成が困難です。
現状は、国民・消費者の9割が「脱炭素」という用語を認知している一方で、そのために何をしたらよいか分からないなど、具体的な行動に結びついているとは言えない状況にあります。

●具体的な取組み
そこで、国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を促すため、衣食住の「10年後の姿」を明らかにし、具体的なアクションをわかりやすく提案しようとしています。
そこから新たな消費・行動の喚起と、脱炭素型の製品・サービスの需要創出にもつなげていこうという方針です。
実はこの国民運動は”クールビズ”運動の成功体験が元になっています。2022年度はトライアル、2023年度から全国での本格運動の開始としています。
具体的なテーマとして、「ファッション(オフィス服装改革)」、「住まい(断熱リフォーム)」、「デジタルワーク(テレワーク推進など)」を三本柱としています。その他、ナッジなどによる行動変容の後押しや、地域独自の暮らし方の後押しも進めようとしています。

●課題
参加企業・団体ではいろいろな推進方法を開発していますが、最も効果を発揮しそうなのは、インセンティブ・ポイントではないかと思います。ポイントを貯めることがゲームのように目的化することによって、知らず知らずのうちに運動に参加する形になります。
現場適用にはいろいろ調整が必要なこと(ポイント制度は業界によっては禁止されているとか)が増えるかもしれませんが、”脱炭素”というムーブメントを作ることで、無理のない運動にできると思います。

そういえば、レジ袋が有料化されてもう4年ほど立ちます。今では、エコバッグを持ち歩くのがすっかり習慣になりました。■

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