RESAS

(2023.03.15)
RESASというWebサービスをご存じでしょうか。
https://resas.go.jp/
地域経済分析システム」(Regional Economy Society Analyzing System)とよばれるサービスで、2015年から公開が始まっています。
内閣府地方創生推進室と経済産業省地域経済産業調査室が窓口になっていて、当然のことですが、利用は無料です。
このRESASの「データ分析セミナー」が2020年12月~2022年10月にかけて開催されて、その第25回分の資料と動画が3月13日に公開されました(これ以降の開催予定は不明)。
https://www.chisou.go.jp/sousei/resas/dataseminar.html#seminar25th

この機会にRESASをご紹介します。
私自身は公開直後から見知っていましたが、まだそれほど広く知られていないようで、ぜひいろいろな人に注目してもらいたいと思います。卒業論文のテーマに悩んでいる学生さんなど、いかがでしょう。

RESASトップ画面

自分で遊んでみると楽しい
RESASを、まず自分であれこれ操作して遊んでみるとよいでしょう。地域の経済、人口、観光客等々、およそ地域振興に関わる人であれば興味を抱くデータがほとんど整っていて、それらを駆使した華麗なグラフが表示されます。
たとえば「観光マップ」->「外国人移動相関分析」のメニューを選ぶと、東京からどの県にどのような目的で外国人が移動しているか、地図上の線の動きで見ることができます。検索したデータをダウンロードして、自分で整理することも可能です。またAPI(Application Programming Interface)も利用でき、別のアプリケーションから動かすこともできます(要登録)。
多少、無理な注文にも答えられます
もし地方公共団体の職員が、上司から地域の観光活性化のための案を作成せよ、と指示されたときは、このRESASを使って、けっこう細かいシミュレーションができるはずです。グラフも見やすくなっていますので、見事なプレゼンテーションができるのではないでしょうか。上に書いたように、外国人が東京からどこに向かっているかを可視化するだけでもインパクト大です。これだけの素材データを職員一人だけで新たに収集することを想像すれば、RESASの大きな価値はわかると思います。
みんなで作っていくシステム
RESASは公開当初から、利用者にオープンにして、みんなの意見やアイデアをどんどん加えていくという考え方で運営されています。今回、公開されたデータ分析セミナーにもいろいろな角度からデータ分析をおこなっている例が満載です。その他、アイデアコンテストやハッカソン(アイデア持ち寄り会)も開催されています。学校の授業向けに、いろいろなコースも作成されていますので、学校の先生はすぐ教材として利用することができるでしょう。
政府系DXの見本として
日本のデジタル化の遅れは深刻なレベルですが、このRESASのようなアプローチは一つの突破口になり得ると思います。しっかりした素材データと基盤システムを国が責任を持って維持し、その上に国民がいろいろなアイデアや分析結果を持ち寄っていくという形は、官と民が分断しがちな我が国のシステムに新風を入れることになるのではないでしょうか。■

Follow me!