農泊

(2023.06.08)
6月2日に、農水省で第7回「農泊推進のあり方検討会」が開催されました。
(https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/nouhakusuishin/arikata.html)

この検討会は農水省の農村振興局長が招集して開催するもので、COVID-19以後の「農泊」の推進について議論する場です。

●「農泊」とは(※1)
「農泊」(※2)は”伝統的な生活体験と非農家を含む農村地域の人々との交流を楽しむ”ものとされ、「観光立国推進基本計画」(2017年3月)において「農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成32年までに500地域創出することにより、「農泊」の推進による農山漁村の所得向上を実現する」ことが目標に掲げられました。”第一次産業の観光化”といえます。
その後、2018年度までに500地域創出という目標は達成できましたが、直後のCOVID-19によってインバウンド需要が消滅し(※3)、ようやく最近、「農泊」の再推進を議論できるようになりました。

農家民泊や農作業体験を楽しむグリーン・ツーリズムや教育旅行に始まった農山漁村滞在型旅行は、観光の一つの形として定着してきたといえます。とりわけ、日本を深く知りたいという観光客に対して、地域に伝わる食や茅葺屋根の古民家などを楽しむ旅を提示することができるようになりました。

●再スタート
この検討会の基本認識は「農泊」は「草創期」から進展し、成果を示す「成長期」に移行すべき段階にあるという点です。
目標は、「新規来訪者の獲得」「来訪1回あたり平均泊数の延長」「来訪者のリピーター化」によって、宿泊者数の増加を図ることとしています。

もちろん課題もたくさん残っています。
受入れ先の高齢化、人材の育成、地域全体のエコシステム化などなど。これらを知恵を出し合って、一つずつ解決してゆかなければならないでしょう。
しかし今まで見過ごしていた地域の良さを再認識して、ビジネスとして磨きをかけるということは、たいへんやりがいのある仕事だと思います。そして日本人が自らを再発見する、絶好の機会になるでしょう。
「旅行が趣味です」という人をたくさん見かけますが、そういう人たちもこういう日本再発見を期待しているのかなと思います。
少し昔の「ディスカバー・ジャパン」という広告をもう一度、上げてみますか。■

※1 「農泊」の推進について https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/nouhakusuishin/nouhaku_top.html
※2 「農泊」は農林水産省の登録商標
※3 年間589万人泊(2018年度)が448万人泊(2021年度)まで急落

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